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なぜUNIDACK充填機は正確で安全なのか?秘密は“高精度ロードセル技術”にあり

目次[非表示]

  1. 1.UNIDACK充填機が「正確に充填できる」理由
    1. 1.1.カギを握るのは「クボタ高精度ロードセル」
    2. 1.2.ロードセルの種類
      1. 1.2.1.アナログロードセル
      2. 1.2.2.デジタルロードセル
    3. 1.3.クボタはロードセルを自社工場で一貫生産
    4. 1.4.全数検査をJIS規格に基づいて実施
    5. 1.5.サービス技術員による納入先でのチェック​​​​​​​
  2. 2.更に進化した新型「樹脂充填防爆型デジタルロードセル」の登場
    1. 2.1.従来のロードセルとの違い、メリットは?
      1. 2.1.1.軽量かつコンパクト
      2. 2.1.2.高精度
      3. 2.1.3.防水
      4. 2.1.4.安全
  3. 3.最新型LPガス充填機「S-EA-Ⅳ」登場|安全性と精度を両立した次世代充填機
    1. 3.1.現場の声に応える新機能
  4. 4.更新検討の目安とタイミングは?
    1. 4.1.こんな現場は要チェック
  5. 5.まとめ

LPガスの充填では、わずかな重量の誤差が安全性や取引信頼性の懸念につながります。そのため、正確な計量ができる充填機の選定は非常に重要です。本記事ではクボタが誇る最新技術を解説し、「なぜUNIDACK充填機が正確なのか」を紐解いていきます。

UNIDACK充填機が「正確に充填できる」理由

カギを握るのは「クボタ高精度ロードセル」

充填機の計量部にはロードセルが搭載されており、ボンベやLPガスの荷重により生じる「ひずみ」を電圧変化して質量を検出しています。(ひずみ式ロードセル)

UNIDACK充填機はワンポイントロードセル機構を採用しています。この機構は摩耗する部分がないため、長い間メンテナンスの必要がなく高い充填精度を維持し続けることができます。


充填機のフリーローラーの下にロードセルが搭載されています。

ロードセルの種類

ひずみ式ロードセルにはアナログ式とデジタル式の2種類があります。クボタではデジタルロードセルを採用しています。

アナログロードセル

ロードセルからアナログ信号をケーブル経由で出力し、指示計にてデジタル信号へ出力変換します。

デジタルロードセル

ロードセル本体に電子回路(増幅+A/D変換部)、マイコンを組み込むことで信号をデジタル変換してから出力します。温度センサも搭載し、気温や周辺温度の変化による誤差を自動で補正します。

クボタはロードセルを自社工場で一貫生産

充填機の製造元であるクボタは、ロードセルを自社工場で一貫生産しています。はかりメーカーでロードセルを生産する会社は数えられるほどしか存在しません。
これにより、設計から製造、検査まで全ての工程を厳格に管理し、高品質なロードセルを安定供給することを可能にしています。

工場内での生産の様子をご紹介します。


全数検査をJIS規格に基づいて実施

製造されたロードセルは計量器に要求される基準で、全数検査を実施しています。これにより、全てのロードセルが計量器と同等の厳しい要求を満たしていることを保証し、高い信頼性を実現しています。

JIS規格を満たすだけでなく、全ての製品が表示誤差ゼロの状態で出荷されるよう、厳格に管理しています。
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サービス技術員による納入先でのチェック​​​​​​​

同じ質量のものをはかった時、沖縄と北海道ではわずかな誤差が発生します。月と地球で体重が変わるように地球上での重力でも緯度と高度により異なる値が示されるのです。

そのため、クボタでは出荷前に補正を行い、出荷後にはサービス技術員による調整を行っています。

​​​​​​​①出荷前 納入先の住所を指定し、重力加速度を考慮してロードセルの補正を行います
②出荷後 据付け完了時にサービス技術員が直接納入先に伺い、計量値の確認、調整を行います

このようにチェックをすることで全国各地の充填所で正しい値を計測することができています。

はかりの重力加速度について詳しく知りたい方はこちら

更に進化した新型「樹脂充填防爆型デジタルロードセル」の登場

クボタでは、長年培ってきたロードセル技術を更に進化させ、新型「樹脂充填防爆型デジタルロードセル」を開発しました。このロードセルは、軽量化・高精度・防水・防爆を実現させた革新的な製品です。

従来のロードセルとの違い、メリットは?

軽量かつコンパクト

耐圧防爆型ロードセルと比較して製品質量を70%低減しています。(クボタ従来機種比)
ロードセルを搭載するはかりも軽量・コンパクトにできます。

高精度

これまでLPガス充填機に使用されていた耐圧防爆型ロードセルの精度(性能を保証する限界)が1/3000であったのに対し、樹脂充填防爆型デジタルロードセルは精度1/6000まで計量が可能になっています。

防水

​​​​​​​耐圧防爆型ロードセルは内部に隙間がある構造に対し、樹脂充填防爆型デジタルロードセルはウレタン樹脂(絶縁体)で基板まで覆うため防水性能が向上しています。

安全

生産工程ではウレタン樹脂の中に気泡がないかを全数チェックしています。

最新型LPガス充填機「S-EA-Ⅳ」登場|安全性と精度を両立した次世代充填機

最新型LPガス充填機「S-EA-Ⅳ」は、「樹脂充填防爆型デジタルロードセル」を搭載し、従来の耐圧防爆型と比較して、計量台部の防水性能を強化しました。ロードセルの性能向上による進化はもちろん、お客様から頂いた声をもとにアップデートされ、オプション機能も充実しています。

現場の声に応える新機能

フルカラー液晶表示
②薄型台部で工期短縮
充填履歴の確認が可能
④オンライン、オフラインの切り替えが簡単操作で完了
⑤指示計の散水用カバー(オプション)
⑥充填中確認用の表示シリンダ(オプション)

その他にも新型の充填管理システムと連携して使用できる、容器情報の直接登録機能など便利な機能が追加されています。

製品の仕様や詳しい情報は製品ページに記載しています。

更新検討の目安とタイミングは?

LPガス充填機の更新時期にお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか?ここでは、更新検討の目安とタイミングについて解説します。

こんな現場は要チェック

機器の設置から15年以上が経過している場合は、更新のご検討をおすすめします。
LPガス充填機には電子部品が内蔵されており、他の構成部品と比べて寿命が短い傾向にあります。そのため、年数が経過すると補修部品の供給が困難になる可能性があります。

安定した充填作業を継続するためにも、計画的な機器の更新をご検討ください。

まとめ

UNIDACK充填機は、高精度なロードセルと徹底した品質管理により、正確な充填を実現しています。最新機種「S-EA-Ⅳ」は、「樹脂充填防爆型ロードセル」を搭載し、安全性とメンテナンス性を更に向上させました。従来機からの更新を検討することで、LPガス充填業務の効率化と安全性の向上が期待できます。

化工機部/部門長 山下隆太
化工機部/部門長 山下隆太
入社20年。高圧ガス製造保安責任者(丙種化学)の資格を持つ営業担当です。 これまでに、LPガス充填所や容器再検査所などの運用改善や現場最適化を多数経験。 各施設の状況に合わせた、実践的かつ無理のない改善提案を得意としています。 「技術がわかる営業」として、提案から導入後のフォローまで一貫して対応。 お客様の信頼を第一に、実践的な価値提供を心がけています。