スタッド溶接とは? 基本の原理と種類、特徴を解説
溶接は、金属を加工する際に必要不可欠な技術です。溶接の種類は、大きく分けると融接・圧接・ろう接の3種類があり、ここからさらに細かく分類されています。
溶接方法の一種であるスタッド溶接は、金属の平面にネジを溶接する技術です。スタッド溶接は融接に分類されており、土木建築や自動車産業、板金加工など幅広い現場で活用されています。
溶接を行う担当者のなかには、「スタッド溶接について調べている」「原理や特徴を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、スタッド溶接の概要をはじめ、基本の原理や特徴について解説します。
目次[非表示]
- 1.スタッド溶接とは
- 2.スタッド溶接の原理と種類
- 3.スタッド溶接の特徴
- 3.1.①母材への影響が少ない
- 3.2.②生産性が高い
- 3.3.③作業者の技量に左右されない
- 3.4.④幅広い分野で活用されている
- 4.まとめ
スタッド溶接とは
スタッド溶接とは、スタッドと呼ばれるボルトやナットを金属板に瞬時に溶接する方法のことです。
スタッド溶接は、スタッド材と母材との間に電流を流すことで生じるアーク放電によって、スタッドと母材を瞬時に接合させます。スタッドを溶接ガンにセットしてトリガーを引くと溶接完了となります。
スタッド溶接の原理と種類
スタッド溶接には、コンデンサCDスタッド方式や電力アーク方式、ショートサイクル方式などさまざまな種類があります。しかし、基本的な原理はどの種類も同じです。
スタッド溶接を行う際は、一連の流れに沿って作業を進めます。
▼スタッド溶接の原理
- スタッド材を溶接ガンに取りつける
- 母材にアースをセットする
- スタッド材と母材を接触させて電流を流す
- 母材とスタッド材の間にアークが発生して溶融圧接する
スタッド溶接の主な種類は、以下のとおりです。
▼スタッド溶接の種類
項目 |
詳細 |
コンデンサCDスタッド方式 |
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電力アーク方式 |
|
ショートサイクル方式 |
|
ガスシールド方式 |
|
スタッド溶接の特徴
スタッド溶接には、母材への影響が少なく、生産性や汎用性が高いといった特徴があります。ここでは、代表的な特徴を4つ紹介します。
①母材への影響が少ない
スタッド溶接は、溶接痕が残りにくいことが特徴です。溶接に必要となる時間が比較的短いため、母材への影響を最小限に抑えることができます。
また、筐体の曲げ成形後でもスタッド溶接を行えます。
②生産性が高い
スタッド溶接は、溶接時間が非常に短くて、生産性が高いという特徴があります。
溶接時間は1ヵ所につき瞬時に作業が完了するため、効率的な作業が行えて、作業者の負担軽減にもつながります。
③作業者の技量に左右されない
スタッド溶接は、難しい操作を必要としないため、作業者の技量に左右されることがありません。
溶接機の条件を設定することで、作業者の技術や経験に影響を受けることなく、品質のばらつきを防ぐことが可能になり、安定した仕上を実現できます。
④幅広い分野で活用されている
スタッド溶接は、さまざまな分野で活用されている重要な技術の一つです。
スタッド溶接は強度を高めたい、歪みを抑えたいといった際に使用されており、量産にも向いています。そのため、幅広い分野で活用されています。
スタッド溶接を活用している主な分野は、以下のとおりです。
▼スタッド溶接を活用している分野
- 精密機器の製造
- 板金加工
- 土木・建築産業の基礎
- 橋梁関係
- 築炉関係
- 自動車産業
- 液化天然ガスの貯蔵タンク など
まとめ
この記事では、スタッド溶接について以下の内容を解説しました。
- スタッド溶接とは
- スタッド溶接の原理と種類
- スタッド溶接の特徴
スタッド溶接は、短時間で作業を終えることができて技量も問わないため、生産性の向上や品質の維持に効果的といえます。溶接機の条件設定を正しく完了することで、作業者の技術や経験に左右されることなく、常に安定した仕上がりを実現することが可能です。
スタッド溶接には、デリケートな母材の溶接に適したコンデンサCDスタッド方式や、厚みのある母材の溶接に適した電力アーク方式といったさまざまな種類があり、精密機器産業や建築産業、自動車産業、板金加工など、幅広い分野で必要不可欠な技術として重宝されています。
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